歯や歯並びについてのお話を紹介します。
皆さんからの疑問などございましたら、お寄せください。
できるだけ、お答えしようと思っています。
どうして歯ならびが悪くなるのでしょう?
遺伝的な要素が関係していることもありますが、大きな原因のひとつとして『そしゃく』回数の少なさが挙げられます。『そしゃく』とは、食事のときに『噛む』行為のことです。
成長期のおやつや食事に軟食が多く、よく噛まずに飲み込む癖がついてしまうと、アゴの骨が十分に発達せず、歯が並びきらない乱ぐい状の歯並びになるといわれています。
しかし、アゴの骨の発達とそしゃく回数の関係は、科学的に十分に証明されていることではありません。しかし、歯ならびと、そしゃく回数は大きく関係しているのです。
歯は、唇やほっぺたという外側の筋肉と舌の間にあり、歯ならびは、双方の力のバランスで決定されます。普段は、あまり意識されないことですが、唇やほっぺたは物を食べたり、話したりするときに、歯を内側に押しています。舌も、だ液を飲み込むときに、かなり強い力で内側から歯を押しているのです。普通、人は、1日に1000回以上だ液を飲み込むと言われているので、かなり強い圧力が、毎日歯にかかっているといえます。
内側と外側の力のバランスが取れていれば、きれいな歯並びになりますが、力のバランスが崩れると、歯はどちらかに動いてしまい、結果的に歯ならびは悪くなります。
だ液を飲み込む回数は、ほぼ変わらないといわれているので、バランスが崩れるとすれば、そしゃく回数が少なかったり、噛む力が弱かったりする場合です。そしゃく回数が少ないと、舌の動きも少なくなるので、乱ぐい状の歯並びになりやすくなるのです。
また、歯周病や肥満、情緒不安定の原因にもそしゃく回数や、噛む力の弱さが関わっているといわれています。
その話は、また次回。