Q11. 欠損部を埋める形での矯正治療について

はじめまして、早速ですが質問させて頂きます。
事故による欠損歯(右下奥)があり、数年間スペースを保っておりました（部分入歯）。
矯正で欠損部を埋め合わせられるだろうとのことで、A院で初診を受けましたが「欠損部に十分に移動出来ない可能性もある・・」と軽く触れられました。
おそらく、判断は欠損部の骨の状態によるのだと思います。
欠損部を埋める形での矯正治療を強く希望しております為、移動出来るか出来ないかが大変気になる点であり、どの医院様に治療頂こうかと今後数件検討したいと思っている次第です。

A院カウンセリングの際、頭蓋骨(頭を装置で固定)や歯全体のレントゲンも取りましたがその他種々の検査（精密検査）をしないと欠損部への移動の可否が判明しないものでしょうか。
お力添えの程、何卒宜しくお願い致します

ご質問いただきありがとうございます。
事故に合われたとの事、大変お気の毒に存じます。

さて、頂いたメールだけでは分らないことが多いのですが、まず、一番は何故「矯正での治療を強く希望」されるのか？
次に「種々の検査」を受けたく無い、という点です。

後者の「種々の検査」は確かに手間であったり、費用がかさんだり、中には、レントゲンを撮ることに抵抗感をもたれてる方もいらっしゃいます。
しかし、充分な検査も無く、見た目だけで診断をするのは大変危険で、Ａ院さんがたくさんの検査をされたのは、当然の事だと思います。

とは言え、少しでも安全に、スピーディーに、患者様に負担無きように、現在は技術や機械・設備が飛躍的に進歩し、より精度の高い検査ができるようになって来ました。

当医院でも『松川歯科医院』様（畝傍）と連携し、三次元で（立体的に）見れるCTや、チェア－に座ったままで撮れるレントゲンなど、多くの検査をしなくても一度でたくさんの情報が得られる性能の高い機械や、患者様の負担が少なくて済む安全で便利な設備を提供しています。

そして一番の、治療法方についてですが、右下奥歯の欠損について、矯正もその一つとなり得ますが、そもそも、矯正治療は”歯並び・噛み合わせを良くする”ものです。

小さい顎に並び切れない歯を一部抜いて全体のバランスをとったり、歯並びを整えて隙間の空いた所をつめる…などはありますが、抜けた歯の隙間を全て他の歯を引張て来て埋め合わせても歯並びのバランスが崩れたり、上の歯との噛み合わせが悪くなってしまっては意味がありません。

今回のご相談である下顎の歯並びが、矯正において『歯を一本抜いて歯並びが良くなるケース』であるのかどうかが問題です。
そのケースであれば、事故で失った歯を本来抜歯する歯に代替えして矯正することは可能です。
しかし、奥歯一本分が全く隙間なく埋まるか？というと、少し間が残ると思います。

隙間なく治したい、または本来の噛み合わせに問題がなく歯の一本が欠落した場合、次ぎの方法が一般的に考えられます。

1.部分入れ歯（現在使用されている）　2.差し歯（ブリッジ）　3.インプラント

今回、矯正を強くご希望でいらっしゃる理由が分りませんが上記の三つの方法も、矯正も一長一短がある事は確かです。
それをご理解された上で、ご自分の目的に合わせた選択をなさるのが一番ご納得される方法だと思います。

色々とお悩みのようですので、一度来院していただければ、私のわかる範囲で疑問にお答えいたします。
矯正治療だけでご希望に合った治療が、可能か、どうか？
また、無理であるならば、一般歯科治療のお話もさせて頂きます。紹介もいたします。
気軽に一度お見えください。

ご来院の際は、お時間をとってお話しさせて頂きたいので、ご予約をどうぞお願いします。